<歯周病>骨髄液から歯ぐきを再生し治療 広島大で成功(毎日新聞)

 歯ぐきが細菌によって溶ける歯周病について、患者の骨髄液から骨や筋肉のもとになる幹細胞を採取して培養後に患部へ移植し、歯ぐきを再生させることに広島大の研究グループが成功した。患者対象の臨床研究で、移植をした患部は4〜8ミリほど歯ぐきが回復した。細胞培養技術の向上などで再生効果を高め、3年以内に厚生労働省へ先進医療を申請、実用化を目指す。

 広大の栗原英見教授(歯周病学)と広大発祥のベンチャー「ツーセル」(広島市、辻紘一郎社長)の臨床研究で、18日から広島市である日本再生医療学会で成果を発表する。

 30〜65歳の歯周病患者の男女11人から骨髄液を採取。この中に含まれる間葉系幹細胞を培養・増殖させ、医療用コラーゲンと混ぜて歯周病患部へ注入した。11人のうち、転居などで経過を追跡できなかった3人を除く8人中6人で、歯ぐきの回復や、歯周病で生じた歯と歯ぐきの間のすき間が小さくなった。移植した幹細胞が歯周組織となったり、もともとあった細胞の増殖を促す物質を出して自力での組織再生を後押ししたとみられる。

 歯周病患者は国内に約3700万人いるとされる。今回の臨床研究は軽症者を対象としたが、今後、中・重症者でも効果が出るよう、採取した細胞からある程度組織を作成したうえで移植するなどの方法で臨床研究を重ねる。栗原教授は「さらに効果を高め、多くの人に使える治療法を確立させたい」と話している。【野田武】

【関連ニュース】
<歯の話題>口臭は胃病から? 原因の約9割が口腔に
<歯の話題>入れ歯安定剤:自主回収 健康被害の恐れ
<歯の話題>人工歯根:使い回しの疑いで歯科医院立ち入り検査 愛知
<歯の話題>歯周病シンポ:東京で開く 300人が集まり熱心に聴く
<歯の話題>歯:かみ合わせの異常、早期受診を 学会がセルフチェックシート

<坂田賞>毎日新聞の点字報道に(毎日新聞)
水俣和解一時金210万円 熊本地裁所見示す(産経新聞)
首相動静(3月21日)(時事通信)
夫婦別姓、選択肢を用意=千葉法相(時事通信)
【新・関西笑談】最高のウイスキーを求めて(5)(産経新聞)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。