<口蹄疫>新たに5市町9農家で疑い 宮崎(毎日新聞)
農林水産省と宮崎県は22日未明、西都市、木城(きじょう)町など5市町の9農家で新たに感染疑いのある牛、豚が確認されたと発表した。西都市、木城町での感染疑いは初めて。160〜171例目。県内の感染地は2市5町に広がった。殺処分対象の累計は13万3011頭となった。【小原擁】
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<口蹄疫>消毒薬製造 製薬会社は対応に追われる(毎日新聞)
家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)の感染拡大で、消毒薬を製造する製薬会社が対応に追われている。感染予防や備えのため九州だけにとどまらず、全国的に需要が高まり、一部では供給が追いつかなくなっている。
動物薬を取り扱っている明治製菓(東京都)は、宮崎県内で感染疑い例が発見された4月20日から1カ月間に、消毒薬を5年分出荷し、「現在も生産が追いつかない」(同社)状態。あすか製薬(東京都)も4月末に九州からの注文増で在庫切れになったが、その後は関東や東海地方からの注文も増えており、今月中には年間数量(約4〜5トン)の2倍の増産体制を整えて、要請に応える。また、イギリスから消毒薬を輸入しているバイエル薬品(大阪市)は、通常は船便だが、計50トンを緊急空輸し、宮崎県など九州を中心に優先的に出荷し、すでに在庫がない状態。だがヨーロッパではアイスランドの火山噴火に伴う火山灰の影響で断続的に空の便が乱れており、今後影響が出る可能性もあるという。【植田憲尚】
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日本人脱北支援者がノンフィクション刊行 飢餓からの逃避行、詳細に(産経新聞)
1996年以降、北朝鮮の国境を越えた脱北者の数は約20万人とされるが、脱北のルートなど現状はいまだ謎に包まれ、正確に把握されていない。このほど刊行されたノンフィクション「脱北、逃避行」は初めてこの実態に迫った日本人、野口孝行さん(38)の手記だ。「隣国で飢餓に苦しむ人を救うため、日本人としてできることをしたかった」。当事者が目撃した脱北の現実とは。(戸津井康之)
◇
深刻な食糧危機にある北朝鮮では、この15年間で約300万人が餓死し、国境を越える脱北者は後を絶たない。元在日朝鮮人で日本への移民を希望する人も多いという。
「なぜ今の時代に自由に国境を越えることが許されない国民がいるのか。北朝鮮から日本へ脱北を希望する人がいるなら手助けしたい」。9年前、こう疑問を持った野口さんは勤めていた商社を辞め、NGO「北朝鮮難民救済基金」に参加した。
野口さんの仕事は、中国の避難シェルターに逃げ込んだ脱北者と接触。日本への移民を希望する脱北者を連れて電車などの交通機関を乗り継ぎ、陸路でベトナムへ入り、日本に送り届ける−ことだ。
平成15年には元在日朝鮮人の姉妹2人を日本人観光客に装わせ、越境に成功した。しかし、翌年、元在日の男女2人と中国のホテルに滞在中、不法入国の疑いで中国の公安当局に逮捕、懲役8カ月の実刑判決を受けた。「北朝鮮から連絡を受けた中国の公安当局に尾行され、南寧市内のホテルで全員逮捕されました。2人は北朝鮮に強制送還され、私は中国の刑務所に送られました」
中国を数日かけて列車で南下、ベトナム経由で韓国や日本へ渡る脱北ルートの実態が詳細につづられる。「北朝鮮で国から財産を搾取され、越境途中でも弱い立場の脱北者は汚職警官や闇ルートの仲介業者になけなしの金を奪い取られる。この不条理な現実を訴えたかった」と野口さんは語る。
刑務所で8カ月を過ごした野口さんは、その後の5年間、中国への入国を禁じられた。
帰国後、野口さんは編集者として働きながら、現在も脱北支援を続けている。「苦労して築いた越境ルートは中国政府の監視が強まったので閉鎖。今は新ルートが開拓されています。脱北は厳しくなる一方ですが、希望者は後を絶たない。北朝鮮の悲惨な状況が今も変わらないからです。この現状を少しでも日本の人たちに理解してもらえれば」と期待を込めた。
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「なぜ今の時代に自由に国境を越えることが許されない国民がいるのか。北朝鮮から日本へ脱北を希望する人がいるなら手助けしたい」。9年前、こう疑問を持った野口さんは勤めていた商社を辞め、NGO「北朝鮮難民救済基金」に参加した。
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